ケイリー・オッジ
銀行やクレジットカードの取引明細の自動取得と勘定科目の自動提案、この2つの機能があれば大丈夫です。
クラウド会計ソフトを導入して初めにすること
まずはクラウド会計ソフトを使い始めた時にだけする作業です。
開始残高の登録
前期の締めの資産・負債・純資産、つまり貸借対照表(BS)の数字を入力します。
期の途中からクラウド会計ソフトを使う場合でも、前月末の数字ではなくて前期の数字を入れましょう。
銀行やクレジットカードの登録
個人的にはクラウド会計ソフトの最大のメリットはこの機能だとおもいます。
金融機関のデータを使いまわしたくない方もいると思いますが、複雑なパスワードを設定して適切に管理すれば漏洩の心配もありません。私は必ずランダム英数の20桁くらいのパスワードを設定しています。
もし、金融機関とのデータ連携をしない場合、経理の大半は仕訳作業なので経理代行サービスでも利用しない限り経理業務にたくさんの時間が取られてしまいます。それならクラウド会計を使う意味はないですよね。
楽をしたいなら必ず設定しましょう。
期中の月毎の数字を入力
私は期の途中からクラウド会計ソフトを使い始めました。
最初、開始残高に前月末の数字を入れてしまったのですが、それだとグラフ(売上や経費のデータ)がおかしくなってしまうので、開始残高は前期末の数字を入れて、その後に月毎の数字を入力しました。
クラウド会計と銀行を連携してるなら期中の取引データを取り込むのは簡単です。
クレジットカードにおいては、会社によって数カ月分しかデータを取得できないので紙の請求明細などを手打ちするしかないかもしれません。
現金取引はレシート読み取りアプリでサクサク入れていきましょう。
税理士事務所とアカウントを共有する
マネーフォワードクラウドは無制限、freeeだと初期状態から3アカウントまでは使えるようになってますので税理士用のアカウントを作りました。やよいの青色申告オンラインは1アカウントしかないので、別アカウントを作る際に申請する必要があるようです。
普段の経理業務
次に私が普段おこなっている経理業務について説明します。
クラウド会計ソフトを導入する前と比べて、普段の経理業務が断然少なくなりました。
私の場合は、1週間に1度くらいこの作業をしていました。最近は月に1〜2回です。1回あたりも10分もログインしてません。
銀行やクレジットカードのデータを自動取得
自動なので何もすることはありません。クラウド会計ソフトにログインしたら取得済みの状態です。freeeだとデータを取得したらアプリが教えてくれます。
マネーフォワードクラウドの場合、このように表示されます。
取引データを確認して仕訳する
仕訳は基本的に自分でします。自分ですると言ってもソフトが学習して勘定科目は自動的に振り当てられている場合が多いです。使えば使うほど学習していくようです。勘定科目が自動で付くので、後はクリックをするだけです。
つまり、ほとんどはクリックしてるだけです。
さらに最近ではfreeeの自動登録をフル活用して登録すら自動でやるようにしてます。freeeの自動登録は学習させればさせるほど賢くなるので使っていて楽しいです。
初めて使う時でも最初から勘定科目が付いている場合もあります。クレジットカードの明細などは特に多いです。
取引内容が「Suicaオートチャージ」だったら旅費交通費といったように、既にクラウド会計ソフト側で理解しているものは自動で勘定科目が振り当てられます。
自動提案で勘定科目が割り当てられなかった取引は自分で勘定科目を付ける必要があります。
自分で勘定科目を付けると言ってもプルダウンで選択するだけです。私はプルダウンで選択するのも面倒なので、ローマ字で頭文字を打って検索します。
プルダウンでは勘定科目がひと通り表示されますので、その多数の選択肢から目的の勘定科目を探すのが面倒です。なのでローマ字で何文字か打って選択肢を絞ります。
具体的には、旅費交通費を選びたいときはローマ字で「ry」と打てば選択肢が絞られます。
このローマ字を打って選択肢を絞るのは、マネーフォワードクラウドとfreeeではできます。やよいの青色申告オンラインでは日本語で入力しないとダメでした。
(※やよいの青色申告オンラインを使ったのは数年前ですので今は改善されているかもしれません。)
マネーフォワードクラウドは最大で一度に50件も仕訳ができます。会計ソフトもソフトなので、1アクションしたら何らかの反応が返ってくるまで時間がかかります。1秒とかそれ以下の時間ですが、1件毎待たされるより一括で仕訳登録できる方がストレスは少ないです。
freee(フリー)は1件ずつしか仕訳登録ができません。なので大量に仕訳が必要な場合は、少々ストレスを感じてしまいます。
しかし、「自動仕訳登録」というfreeeでしかできないことができます。これに該当するパターンの取引については、クリックする必要もなく仕訳してくれます。
数年前にやよいの青色申告オンラインを試しに使ったのですが、現時点では上記2つの会計ソフトには今一歩及ばないと感じました。仕訳の登録は一度に150件もできるようなことが書いてありますが、同時に56件までとも言われます。56件にしなくてはならないとすると、100件以上クリックして「未定」に変更しなくてはなりません。それはあまりにも大変なので、私はここで使うのをやめてしまいました。
この説明、難しくないですか?
電車代を手入力で清算する
私は基本的に現金を使いません。支払いは可能な限りクレジットカードで済ませることで経理を楽にしたいからです。
しかし、法人用のsuicaが無いので電車代だけは手入力してます。打ち合わせなどの移動で電車を利用する時は個人のsuicaで立替えておきます。その後に私個人への未払金として処理して給料日に清算してます。
仕訳はこんな感じです。
12/25 未払金 x円 / 普通預金 x+z円
役員報酬 z円
(※打ち合わせ日が12/14で給料日が25日の場合。源泉徴収とか端折ってます)
手入力は面倒くさいと思われるかもしれませんが、よく使う仕訳はテンプレートで登録できます。私の場合は打ち合わせする場所はだいたい決まってますので予めテンプレート登録してます。
月末の経理業務
請求書の作成と同時に売上を計上する
freeeは請求書発行機能もあります。マネーフォワードクラウドの場合はクラウド請求書というサービスで請求書発行ができます。
それらで請求書を作ると同時に売上高と売掛金が計上されますので、わざわざ売上計上を手入力をする必要はありません。
給料(役員報酬)を手入力
マネーフォワードクラウドの場合、給与を管理するクラウド給与というソフトがあるのでそれを使ってました。
freeeに乗り換えてからは給与計算ソフトが別料金なので、自分で計算しています。役員報酬は定額なので、いつも同じ金額で、源泉税も同じ額なので、上記の交通費の様な自分個人への未払金を追加するだけなので簡単です。
これは振替伝票のテンプレートを使ってます。
年度末の経理業務(決算)
そして、いよいよ決算です。
税理士事務所に丸投げ
決算月の翌月末くらいにはクレジットカードの取引データも揃うので、もう前期のデータは無いかなというタイミングで、税理士事務所の担当者に「お願いします」ってメールをしたくらいです。
このようにクラウド会計ソフトのおかげで導入以前と比べて圧倒的に経理業務が楽になりました。
自分で事業をしているとお金にならない事に時間を割きたくなくなります。お金を生まない業務である経理の作業なんて可能な限り短くして、その時間を本業で使えば生産性がより高くなります。
だからこそ、取引データの自動取込、自動仕訳ができるクラウド会計ソフトを使って効率的に経理を済ませてしまいましょう。